迷ったけど。

当事者以外は何だかわからないだろうけど、現実にかなりの脚色を加えたものだからさしたる意味は無いです。一応当事者の1人はこのサイトの存在を忘れているだろうし、当事者の1人はこのサイトにくる確率は限りなく低い。他の人が見て当事者が全員わかってしまうような描写は一度削除した。当事者がこれを見てしまえば大迷惑。自分の心の整理の為、私文。かなり情緒不安定だから無理矢理文字にすれば治るかなって。また明日なおすかも
追記 だいぶ病んでる。
それは周りから見れば、若者が三人地べたに座り込んで話している、何の事も無い景色でした。
だけど本当は、思いが入り混じってしまった、悔しく切ない景色だったのです。

明け方の都会の商店街に人影はなく、街に音も少ない。
地下鉄への降り口の前で、輪になり座った3人。帰りを名残惜しむ様に話し出す僕。
「いやーおつかれさま、楽しかった!」
小さなクラブで行われた素人のイベント、といってもフロアは人で埋まりプロも侮れないほどに盛り上がった、そんな楽しく遊んだ夜明け。おのおの好きな音楽を心地よく楽しんだだけに、疲れていてもそれさえも心地よい。
「凄かったな、でも疲れた、腰が痛い、もう年かもしれねえ」
もう1人の男、亮二が言うとすかさず、男達にはさまれて座っている女の子が言葉を重ねた。
「そんなことないですよー私とタメぐらいに見えるもん、あれ、25歳でしたっけ?」
「あぁ、そうだな。えーと、芳太郎の1個上だっけ?」
「そうですよー」
「いいなー芳太郎も二人とも若いねぇ、羨ましい」
「えぇー亮二さんほんと若いよー年聞いたときびっくりしちゃったもん!」
楽しそうに亮二と話す有紀。このとき僕は、昨日の夜に三人で話したときとは微妙に違う空気を感じていた。
しかし、こと男女の関係についてはやや深読みしすぎのきらいがある僕の早とちりだろうと思いつつも、
あっという間に二人に置いてかれるような焦燥感に駆られた僕はとりあえず会話に入った。
「何言ってるんですかーうちのキャンパス歩いてても全然おかしく無いっすよー」
ただ、有紀は僕の言葉を気にせず
「ほんと若いですよーでも肩こってますよね、マッサージ大変だったもん」
「あれはよかった、上手いよねー有紀ちゃん」
「でしょーおかあさん譲りですから!友達にお金取れるよって言われたくらいだもん」
「ほんとうまかったよ、ありがとう」
この瞬間僕は表情には出さないように、でも確実にショックを受けていた、僕にはそんな事してくれたこと無いのに。なんだよ。やっぱり、そうなのか?
昨日気付くと会場の椅子で寝てしまっていた時間が有った、30分位か、その間だろうと。
しかし、そうは言っても実は、有紀が亮二を少し気に入っていることに前から気付いていた。
前に有紀を連れて行き、僕ら三人が揃った形では2度目に会ったイベントで、いつの間にか有紀と亮二はアドレスを交換していたし、その事に軽く危機感と嫉妬を覚えた僕は、亮二に婚約者がいることを、内輪の人間しか知らない話で伏せられていたにも関わらずばらしてしまっていたのだ、亮二を想っても何にもならないんだというメッセージ。その時の有紀の驚いた表情、その日どうやら1人でお酒を飲んで寝たらしいという事。何も感じないわけは無い。
「芳太郎も二十歳になったんだろ?俺はその頃留学してたしなーこういうのに来れてていいね」
「えっ亮二さんどこに留学してたんですか?」
「イギリス、楽しかった、それ以来たまに行ってるんだよ」
「凄いですねー!私も一度行ったことありますよ、修学旅行で」
「本当に?いいところだよねー」
同じイベント帰りの様な集団が通り、三人とも眺める
「そろそろ俺らも帰ろうか」
「私も寝ちゃいそう」
「ですね」
「あっ、でもごめん、財布に厳禁が無いからコンビニ行ってくるよ」
亮二が思わぬ事を言った、でも本当はこの瞬間、嘘でもいいから、「先に二人とも帰りな」といって欲しかった。無意味。
男の子として経験の浅い僕は、何かにつけ弱さが顔を出す。
そのまま亮二がコンビニでお金を引き出すのに付き合った僕と有紀は、三人で電車にのり、途中方向の違う僕だけは乗り換えてそれぞれ家に帰った。
その後、彼らがどんな話をしていったのかは僕は知らないし、さにげなく聞く術を持たない。
だからといって亮二が有紀に手を出せる状況でも人でもないのも知ってる。
ただ、あれから僕が有紀とするメールは確実に減っていった。
こうして離れていったかの様に見える僕の物語、ただ、もし救いがあるとすれば、これが実は現実で起きている事で、まだ終わってはいないということだ、どう転がるだろうか。どこかに転がっていくのだろうか。